



キリンホールディングス株式会社(社長加藤壹康)のキリン食生活文化研究所では、世界各国のビール協会などに対して独自に実施したアンケート調査と最新の海外資料に基づき、2007年の世界主要国および各地域のビール生産量をまとめました。この調査は1974年分から統計開始しています。


2007年の世界のビール総生産量は、1974年の統計開始以来、過去最高の増率(5.9%増)を記録しました。前年比約997万kl増(大びん633ml換算で約158億本)の約1億7,937万klとなり、東京ドームをジョッキに見立てると、約145杯分(東京ドーム1杯分は約124万kl)に相当。世界の総生産量は1985年以降23年連続で増加を続けていることになります。
新興市場の大幅な成長でビール生産が活発化したことに加え、世界の年間平均気温が高温(気象庁の統計開始以来6番目※の高さ)であったことなどが生産量増加の要因と考えられます。世界規模でのビール業界再編の波が加速している今、今後もこの傾向は続くものと思われます。
※1891年から統計開始。
地域別では、全地域で対前年増となりました。アジア(11.1%増)、アフリカ(6.7%増)、中南米(5.6%増)といった新興市場が高い増率を示し、最大構成比のヨーロッパ(4.0%増)もロシアの牽引で増加しました。
特にアジアは、国別1位となった中国(13.8%増)やタイ(7.4%増)、ベトナム(12.5%増)、韓国(8.8%増)の貢献により、構成比も1.4ポイント伸ばし初の30%台となりました。
また、最大のビール市場であるヨーロッパは、ドイツ(2.0%減)やイギリス(6.0%減)が減少したものの、近年大幅な増加傾向が続いているロシア(16.1%増)やポーランド(9.2%)、ウクライナ(18.1%)、ルーマニア(11.1%)が牽引し、最大地域のポジションを維持しました。



昨年4位であったロシアが順位を上げ、2006年の消費量に続き、生産量でも初めて3位となりました。また、高い増率を示したルーマニア(11.1%増)は20位から17位に、ベトナム(12.5%増)は24位から21位と大きく順位を上げました。
2002年にアメリカ合衆国を抜いて以来6年連続で1位の中国は、3年連続2ケタ台の増加となり、2位のアメリカとの差を1,597.3万klにまで広げて、ビール大国へと成長しています。経済発展に伴う個人所得拡大、生活水準の向上や、飲用層が沿岸部からその周辺部に拡大していることなどが要因と考えられます。
近年急激な伸びを示している注目市場のロシアは、暖冬と個人所得の増加などから、16.1%増と引き続き成長を続けています。また、健康志向を背景としたウォッカなどのハードリカーからビールなどの低アルコール飲料へのシフトや外国資本企業の現地製造が加速したことでその勢いは加速。今後もさらなる市場拡大が予測されます。
その他では、韓国(8.8%増)やロシア周辺のウクライナ(18.1%増)、ポーランド(9.2%増)、ルーマニア(11.1%増)、中南米のブラジル(7.0%増)、ベネズエラ(9.4%増)が高い増率を示しています。
日本は、少子高齢化、嗜好の多様化の影響などにより3年連続減(0.4%減)となりました。



2007年の世界のビール生産量を10年前と比較すると37.0%増となりました。国別では、中国が2.1倍(2007年第1位:110.8%増)、ロシアが4.4倍(同第3位:344.4%増)、ウクライナが5.2倍(同第11位:418.2%増)となっており、急速に市場が拡大したことが分かります。また、タイ(同16位:159.6%増)やベトナム(同21位:219.3%増)でも増加が顕著になっており、経済成長を続けるアジアの中でもASEANの今後が注目されます。一方、アメリカ合衆国(2007年第2位:1.3%減)、ドイツ(同第4位:8.5%減)、日本(同第7位:12.1%減)、イギリス(同第8位:14.6%減)は10年前に比べて減少していることから市場の成熟化がうかがえます。
また、日本の順位は1989年から第4位を維持してきましたが、その後1995年にブラジル、2002年にロシア、2003年にメキシコに抜かれて以来、第7位を保っています。
注:日本の生産量については、ビール、発泡酒、新ジャンルの合計。
出典:各国ビール協会などへのアンケート調査(当社が実施したもの)
The Barth Report Hops 2007/2008 (BARTH−HAAS GROUP)
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