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2010年は、世界最大のスポーツの祭典、ワールドカップが初めてアフリカ大陸に上陸する記念すべき年。その開催国が南アフリカ共和国。
南アフリカの言語のルーツは、近世オランダ語。大航海時代のオランダ農民の集団移住がズート・アフリカーンセ語の始まりである。十数年前までのアパルトヘイト(有色人種差別政策)も歴史的にはオランダ由来。ボーア戦争をご記憶の方もあろう。ボーア(Boer)とは、蘭語(オランダ語)で農民を意味する。1899年に先住白人のオランダ移民子孫の農民に対し、英国軍がケープタウンから攻撃開始。金・ダイヤモンド利権を巡る戦いの戦場は1500km東進。農民軍隊の蘭軍は、ヨハネスブルクを越え、首都プロテリア近くまで敗走して1902年に終結。今日でも、英蘭間で霧の晴れない歴史の一頁である。酒が入るとオランダ人の血が沸騰する。その地で最初のビール商業生産の始まりは、ボーア戦争の4年前の1895年(明治28年)のCastle Brewing社。当時は、オランダ人の持ち込んだオランダ焼酎(ジュネーバー:Jenever)に似たアルコール飲料であるポテト原料の蒸留酒にタバコ果汁ととうがらしをミックスした辛口焼酎が消費の主流であったようだ(因みにロンドン・ジンは、オランダから渡英したジュネーバーがジンと生まれ変ったもの)。Castle Lagerというビールの登場は、当時、待ち焦がれた現地生産ビールの誕生ということで発売当初から絶大な支持を得たと伝えられている。南アフリカのビールというとピンとこない諸兄もあろうが、世界のビールランキング(2006)でNo.2の規模を誇るビール会社のSABMiller plcである。SAB(South African Brewery)が、かつてUSAのNo.2であったミラー社を買収併合する前身の会社である。現在は、5大陸の世界60ヶ国以上で事業展開。有名ブランドには、南アフリカNo.1のブランドのキャッスル・ラガー、アメリカのMiller Genuine Draft、イタリアのぺロニ(Peroni Nastro Azzuro)、ピルスナーの元祖、チェコのピルスナー・ウルクエル(Pilsner Urquell)などがあり、全世界で200ブランド、1750万kl(日本のビール総消費量の3倍弱)のラガービール、450万klのソフトドリンク(コカコーラなど)を生産供給している。同社は過去10年間、世界各地の成熟市場及び成長ポテンシャルがあるがリスクも高い地域でのビール会社買収・資本参加による規模拡大を着実に実行し、欧米のビールメジャーを凌駕するステータスを構築、中国ビジネスでも一番安定感のある業績を挙げているというのがビール業界のインサイダー評。2006年の連結売上高は1.84兆円(US$15,307million)、営業利益(EBITA)は3530億円(US$2,941)という誇るべき業績。そのグループの多国籍ボートメンバーを率いるマッケイ会長の2006年の年俸総額はいかほどか。公表数字を見てみると約8.5億円(£3,785,090)。また、同社の社会貢献ポリシー(税前利益の0.8%の社会還元)による工場所在地へのコミュニティー支援プログラムへ約23億円の支出をしているのもグローバルプレーヤー・グローバル市民たる所以であろうか。
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