三菱商事ドリンクキリン委員会
HOME
飲食店情報
クチコミ飲食店情報
生活トレンド調査レポート
麦酒コラム
お問い合わせ



No. 14

「ベルギー編 ビール天国。ベルギーは楽しい!」


語り始めると終わりが見えないベルギービールのお話




ベルギー人はフランスに対する対抗意識が強い。「旨いフランス料理を食べるには、パリやリヨンではなくブルッセルへ行け」ということをフランス人も平気でいう位にブルッセルは美食家にとって楽しい街である。フランス人がワインやチーズを喜んで語るように、ベルギー人はビール話が好きである。

先程挙げたランビックの上位にある高級タイプのビールが“グーズ(La gueuze)”と総称される。フランス人を意識してかどうかは知らないが、別名は、“ブルッセル・シャンパン(Champagne Bruxellois)”。長期熟成(長いもので数年)させた複数のランビックをブレンドして仕上げた品位の違うものである。シャンパンを語るだけあって、大壜ボトルはコルク栓である。このランビック市場では、ベレビュー社(Belle-Vue)が約70%の市場シェアを占めている。2番手のモースビット社(Mort Subite)は、まるで冗談でつけたような社名である。その意味は、「サドンデス(突然死)」。ブルッセル市内を歩くとカフェーの外壁によく見かけるブランドであり、地元のファンも多い。

日本人の舌に意外とマッチして、ベルギーやオランダ駐在員の間でも人気が高いのが小麦ビール。ドイツの小麦ビール(バイツェン:Weizen)が「炭酸ガスが強めで清涼感はあるがリッチな味わいの下面発酵ビール(発酵が終わると酵母が沈む)」であるのに対し、ベルギーの小麦ビール(ビットビール:Witbier)は、「10日前後で出荷されるよりリフレッシングでアルコール度数も低い軽い味わいの上面発酵(発酵が終わると酵母が浮かぶ)のヤングビール」である。この小麦ビール市場の頂点に立つブランドは、“ヒューガルデン(Hoegaarde)”。濾過しないため白濁の濁りビールでオレンジフレーバーとコリアンダー(カレー風味のハーブ)でいい味わいに仕上がっている。ホップの苦みの利いたドイツのピルズナービールは何杯も飲める名実ともに“ドライビールの旨さ”であるが、ベルギーの小麦ビール(生ビール)は、若々しいバージン・テイスト。何杯でも飲めるようなしつこさのないビールの味をドイツ人は、“バイター・トリンケン(Weitertrinken)”と表現するが、この小麦ビールにはまさにそんなうまさがある(04年に日本で発売された「小麦」は、味の丸みとさっぱり感のバランスのとれた発泡酒に仕上がってあり、ベルギー人も喜びそうだ)。

ベルギーのビール文化を語る時、忘れてならないのが修道院ビールの“トラピスト(Les trappistes)”。1962年のベルキー国内の規定で、実際に修道院のビール工場で修道僧によって作られるビールのみがトラピストをラベル表示として許されることとなった。現在(2005)は、5社が残っている。ブランド名で言えば、アシェル(Achel)、シメイ(Chimay)、オルバル(Orval)、ロックフォー(Rockefort)、ヴェストマレ(Westmalle)、ヴェストフレーテレン(Westvleteren)であり、大半がアルコール度数6%以上の強いビールである。ヴェストフレーレンはワイン並の12%。グラスを揺すると粘りつくような揺れ方をする“液体のパン”そのものである。

ビールを使った料理も人気が高いが、そのなかでひとつ挙げると“ムール貝のビール蒸し”。ちょうど、生牡蠣と同様に9月から4月頃までが旬である。数人の仲間であれば、“ムール貝のワイン蒸しとビール蒸し”を注文しての味比べをお勧めしたい(ただ、一人前は、日本人には2〜3人前のボリュームがあるので前菜のつもりで注文すると大変なことになるのでご用心を)。少し横道にそれるが、食通の多いブルッセルには、昔から味で評判の日本レストランもある。

大型店の「田川」と「侍(Samourai)」などは景気の波を乗り越えて長年親しまれている日本食文化のショーケース。田川では、支配人の渡辺さんがお客さんを温かく迎えいれる。また、侍の味は現地のグルメ族には定評がある。長年、銀座の「すし幸」本店と寿司職人の派遣契約を交わしているといえばお分かり頂けよう。ミッシェランのレストランガイドと共に有名な「ゴー・ミヨー」ガイドでは、最初にノミネートされた“星つきランクの店(笹岡オーナー)”である。日本のビールは、開店当初から頑固にキリン一筋。現在は、チャールズウェルズ社(英国)で現地生産された新鮮な“キリン一番”が飲めるのもうれしい。

ベルキーで消費されるビールの大半は、世界のどこの国でも同様にラガータイプのビールである。戦後から1970年末頃まではラガーブームに圧倒され、ベルギーの多種多様なビールへの需要は衰退に一途であった。しかし、80年代になってからベルギービールの個性がベルギー内外で見直され、人気が復活、ゆるやかではあるが市場再生・再成長路線に乗ってきていることはビール愛飲家にとっては、“生きたビール産業と文化の伝承”が世界で支持されている事実であり本当に喜ばしい。世界の主要都市でビールを店の看板にするビヤパブでは、必ずといってよいほど、多くのベルキービールに出会えるのもうれしい。それでは、語り始めると終わりが見えない個性豊かなベルギービールで乾杯しよう!

ビーブ・ラ・ビエール・ベルジーク(Vive la Biere Belgique !!!)

(サンテ・フォレビー)

Page 1 2