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私は昔からビール好きで、初めて学生時代にドイツに行った時にもまず何処へ行くよりも先にビアパブへ飛び込んだ。その後もドイツに滞在している間は毎晩の様にビアパブへ行き、やがてドイツビールを飲む感動も一段落して来た頃、私は手にしたビアグラス上部に小さな目盛のような線が記されていることに気が付いた。この目盛、そのビアパブだけでなく、どうやら他のビアパブでも所謂正統なビアグラスにはほぼ漏れなく付いているようである。
私の拙いドイツ語ではこの目盛の意味を周りで飲んでいるドイツの人達に聞く事も出来ずにいたが、ある時ドイツ滞在の長い日本人の知人とビールを飲む機会があり、目盛の意味について率直に尋ねてみた。彼の説明によれば、これは何とビールの泡の下限ラインであり、ビールをサーブする飲食店の店員は泡とビールの境目がこの目盛より上になるようにビールを注ぐことを義務づけられているらしい。確かにどのビアパブでも出てくる泡の量はこの下限ライン内に納まっている。この目盛、彼曰く以前ドイツでビールの泡の適量に関する論争があり、その解決策としてビアグラスに記されるようになったとのこと。
泡はビールの酸化を防ぐ為の蓋の役割をしておりビールには無くてはならない存在である一方、多すぎればグラスに入るビールの量が減って損をするわけであり、どこが適量かと決めるのは確かに難しい問題である。とは言え、ビアグラスに目盛りまで付けてしまうドイツ人のビールに対する思い入れには驚くばかりである。
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